BL小説の感想を書き留めています。
かなりネタバレ傾向にありますので、ご注意を!
初めての方は管理人のプロフィールに目を通してくださいね。
ロマンスの王様
【ロマンスの王様〈上〉the beginning】【ロマンスの王様〈下〉truth】
水戸泉 / 青樹緫
(ラピスmore)




「お前なんか、髪の毛一本まで…、全部、俺のものにしてやる」




【ロマンスの王様〈上〉the beginning】
(あらすじ)
ジパング王室の問題児リュウは、突然いなくなった幼馴染みのユーゼフを捜すため、ユーゼフの故国に忍びこむ。ところがユーゼフは不在、居所は弟のテオドールだけが知っているという。テオドールは、ユーゼフそっくりな容姿なのに、優しいユーゼフとは似ても似つかない性格の、傲慢な男だった。ユーゼフに会いたければ…とリュウを脅し、セックスを強要するテオドール。反発しつつも、ユーゼフのためテオドールに屈するリュウは…。


水戸 泉 / プランタン出版
Amazonランキング:9487位
Amazonおすすめ度:



【ロマンスの王様〈下〉truth】
(あらすじ)
テオドールに脅されたセックスだったのに、心ならずも性技の虜にされてゆくリュウ。まるでリュウはテオドールのものとでもいうように、強く独占されてゆく。だが、いまだリュウの心に残るのは幼馴染みのユーゼフへの想いだ。そんな中、テオドールが、ふとした瞬間見せるユーゼフに似た優しさは、リュウの心に変化をもたらす。封印された真実が明かされるとき、リュウを襲ったものは…。


水戸 泉 / プランタン出版
Amazonランキング:9486位
Amazonおすすめ度:



(一言感想)
キラキラした表紙が綺麗な「ラピスmore文庫」ですが、しかし、中身はなかなかにハードなものが多いのが売りなのかしら〜?でも、新刊って普通表紙のきわどい所は帯で隠れるじゃないですか?ところが、この本はすごかったです。帯にわざわざ、表紙のイラストのきわどい所を印刷してるんだもん…、全然尻が隠れてません。むしろ見せる気満々です。よろり。

すっかりお気に入りになってしまっている水戸泉さんのデビュー作の新装版だそうです。作者の水戸さんがあとがきにも書かれている通り「攻が淡々と電波なことをする一途な鬼畜で、受が無駄に元気でわりと考えなしに行動して小さな問題を無駄に大きくしてしまう自爆系」のお話。

デビュー作だけあって、水戸さんの電波っぷりと、自爆っぷりが素晴らしい。本当に水戸さん、こういうカップルがお好きなんだろうな…と(笑)もう、突っ込み所がありすぎても、水戸さんの「でもこういうのが好きなんだもんっ!」という迸る情熱に力技で捻じ伏せられた…って感じです。「私も、こういう鬼畜とお馬鹿さん、好きかもしれない…」と、うっかり流されそうな自分が怖い。

ネタバレありの感想は以下です〜



ぶっちゃけ、突っ込み所がありすぎなんです。しょっぱなから、いきなり厳重な警備もなんのその、一国の大統領の執務室に塀をよじ登ったり、屋根裏を這ったりして辿り着いちゃうし(笑)でも、そういうのを「ああ、お馬鹿な主人公らしい無謀さだわね(くすっ)」と微笑みながらサラリと流せるだけの大人の懐の広さを持てる人なら、きっと楽しめる作品だと思います。

ええ、私は、とても楽しみながら読みました。

主人公のリュウはジパング王室の王子様。自分の前から突然姿を消した、大好きな幼馴染み・ユーゼフに会う為に、はるばるユーゼフの故国を訪れるが、そこで再会したユーゼフは自分の知っている優しい彼ではなく、事情があってユーゼフの身代わりを演じている弟のテオドールという冷酷な男だった。ユーゼフと同じ顔、同じ声でリュウに冷たくあたるテオドールは「ユーゼフと会いたいなら、自分の言うことを聞け」と無理やりリュウを抱くのだが…、というお話。

自分の言うことを何でも聞いてくれた優しい幼馴染みと再会するために、テオドールを巡る政治的陰謀に巻き込まれてしまうリュウ。テオドールと行動を共にし、無理矢理抱かれているうちに、どんどん彼との性行為に溺れてゆく様子は、かなりエロかったです。

大好きな人と同じ顔、同じ声の酷い男。そんなテオドールを憎みながらも、やがて彼の隠された優しさや思いやりに気づいてしまうリュウ。ユーゼフを想う心と、次第にテオドールに傾いてゆく心の狭間で揺れ動きながらも、テオドールの与える快楽を求めずにはいられない自分の淫らな性癖を思い知らされるわけですが。

純粋で一途な子供のようなリュウ、そのリュウに隠された淫らな性癖。

人は誰でも、自分でも気づかない、もう一人の自分を隠し持っていて、それを暴こうとする人間を憎みながらも愛してしまうのかもしれません。

ユーゼフが何故、突然、誰よりも大切にしていたリュウの前から姿を消したのか?という謎が明らかになったとき、リュウが選ぶのはユーゼフ?それともテオドール?

ジェットコースター的トンデモ展開と濃ゆいエロ…と水戸さん自身もおっしゃっておられますが、そんな中に、ちょっと切ないエッセンスが混じっていて、なんとも不思議な読後感でした。

や…やっぱり、私、水戸さん…好きかもしれません…、どきどき。

電波かぁ…、電波…、確かに電波っぽいけれども、でも、このお話、想像していたよりも、全然電波じゃなかったように思うのは、ひょっとして、私がもう、すっかり水戸さんの作風に慣れてしまったからなのでしょうか?ががーん。
水戸泉 comments(3) trackbacks(0)
Comment








水戸泉さんの何かのあとがきで
「最近のはやりが語尾に尿をつけるころなんです」
「にょう」じゃなくて「尿」というのを読んでから
「あぁ・・ついていけないかも・・」と思いましたorz
from. mayumayu | |
mayumayuさんへ

「尿」…ですか(困惑)

語尾に「〜にょ(はあと)」をつける三十代女性は「痛い」の一言で片付けることができるんですけれども「〜尿」とつける三十代女性はどうコメントしていいんでしょうか(遠い目)

水戸さんのあとがきは個性的だなぁ、とは思います。でも、慣れてくると結構平気、というか、だんだん楽しみになってくるから不思議(えー?!)

こればかりは趣味の問題なので(笑)強制はできませんが、また機会がありましたら水戸さんの本にチャレンジしてみて下さいませ。私にとっては、どうしてもダメな作品もあるけど、大好きな作品も多い作家さんなのです〜。
from. suzuya | |
はまってもらってうれしい限りの硝子です。

>あとがき
なんだか癖になるんですよー。うわ、この電波っぷりはなんなんだ!?と思いつつも、謝辞やら突き詰めれば大して意味も無い言葉の羅列に終わる当たり障りのないあとがきに比べて、読み応え があるといいますか!(違。

趣味の問題ですけれどね。最近あとがきではっちゃん(お犬様)の話題を読んでいないので、そちらが気になっていけません。水戸本を読む楽しみの何割かはあとがきを読むことにあると思い出したら、引き返せないところまで来ちゃったことを認めるべきですかね…。

ちなみにこの本は旧版のオヴィスで読みました。
割と最初のほうで同一人物疑惑を感じながらも、最後まで結局確信は持てなかったなぁ。
from. 硝子 | |
Trackback
この記事のトラックバックURL: http://blog.plastic-paradise.com/trackback/601842
<< NEW | TOP | OLD>>