2009年印象に残った小説
2009.12.31 Thursday
なんか、ものすごく久しぶりです。
「このBLがやばい!」をちょろりと覗いてみて、自分でも「どのBLがやばかったかなー?」と考え出したら止まらなくなりました(えー?!)
なんか、自分とは見事にかぶらなかったので、ちょっとショックだったです。
まぁ、好みや萌は人それぞれなので、ああいうランキングというのは話のネタにするくらいがいいのかもしれませんね。
というわけで、自分自身を振り返ってみますと、一言で言ってしまうと「自分、どれだけ『ヤンデレ好き』なんだー!」
BL小説自体は、あいも変わらず、かなりの量を読んでいるのですが、いざ印象に残った作品は・・・と思い返すとあまりにも偏っていて、笑えました(自嘲的な意味で)
一応、小説は純粋に「今年始まって、今年完結した作品」を1ジャンルとして15作品(10作品には絞り込めませんでした(涙)それから、シリーズものの作品を1ジャンルとして6作品、紹介してみようと思います。
1ジャンルにつき1作家さん・1作品。順位はつけられなかったので(どれも大好きすぎて)、タイトルの昇順でいきますね。
「このBLがやばい!」をちょろりと覗いてみて、自分でも「どのBLがやばかったかなー?」と考え出したら止まらなくなりました(えー?!)
なんか、自分とは見事にかぶらなかったので、ちょっとショックだったです。
まぁ、好みや萌は人それぞれなので、ああいうランキングというのは話のネタにするくらいがいいのかもしれませんね。
というわけで、自分自身を振り返ってみますと、一言で言ってしまうと「自分、どれだけ『ヤンデレ好き』なんだー!」
BL小説自体は、あいも変わらず、かなりの量を読んでいるのですが、いざ印象に残った作品は・・・と思い返すとあまりにも偏っていて、笑えました(自嘲的な意味で)
一応、小説は純粋に「今年始まって、今年完結した作品」を1ジャンルとして15作品(10作品には絞り込めませんでした(涙)それから、シリーズものの作品を1ジャンルとして6作品、紹介してみようと思います。
1ジャンルにつき1作家さん・1作品。順位はつけられなかったので(どれも大好きすぎて)、タイトルの昇順でいきますね。
【今年suzuya的にやばかったBL小説】
●「愛を乞う」 夜光花/榎本(2009年11月 キャラ文庫)
愛を乞う (キャラ文庫)
「これから6年間、息子の性欲処理の相手をしなさい」。両親の借金の形に、13歳で大富豪・綿貫家に売られた氷野春也。同い年の一輝は、人に命令し慣れた態度で春也を物扱い。口と手で一方的に行為を強要してくる。ところが、全寮制の高校で同室になって以来、なぜか春也にキスや愛撫をするように…。一輝の態度が変わったのは一体なぜ?理由がわからないまま、契約終了を告げる卒業の日が迫り―。
最後の最後まで「忘れないでいてくれ」(2009年9月 リンクスロマンス)と迷った作品。決め手はあとがきで作者の夜光花さんが書かれていた「やはり中学生や高校生の時の攻めの頭の中はエロいことでいっぱいでいてほしい。隣に受けがいるならそれはもう、やることしか考えてないくらいが好きですね。」という一文。まったくもって同感です。
忘れないでいてくれ (リンクスロマンス)
「忘れないでいてくれ」もホントに好きでした。一作家さんにつき一冊とあえて決めていたのが裏目に・・・。
●「いとし、いとしという心」 かわい有美子/南田チュン(2009年6月 BBN)
いとし、いとしという心〈2〉 (ビーボーイノベルズ)
京都の格式ある名旅館「井筒屋」の若き当主が亡くなった。彼を密かに恋い慕っていた侑央は悲しみにくれる。一方、葬儀で帰省してきた当主の弟・千秋は、次男として当然経営を継ぐと思われていたが、旅館を売却すると言い周囲を驚かせる。かつて一途に兄を想う侑央の想いと秘めた欲望につけこみ、関係を持っていた千秋だが、今度こそその心ごと自分のものにするため、侑央にある提案を―。乱れる心と身体は誰のために…書き下ろしあり。
幼馴染モノ。2巻が発行されてて、「ん?シリーズ物?」と迷ったのですが、両方とも今年中に発行されているということでコチラに分類させていただきました。
自分の兄に片想いしている幼馴染をずっと好きだった弟・・・。王道ですね。でもその弟(攻)がえらいごと狡くて、酷いくせに、でも受のことが好きすぎて哀れ。そんなとこがツボでした。
●「君に降る白」 朝丘戻。/麻生ミツ晃(2009年8月 ダリア文庫)
高校を卒業してから二年。芹田藍は昼は古本屋、夜は身体を売るバイトをしていた。淡々としている藍を玩具のように扱う客が多い中、愛情を教えてくれたのは自分の身体を一切求めてこない客、成瀬恵一だった。平凡なサラリーマンで、温かく純粋な成瀬。だが彼に心惹かれるも、過去の出来事から自分自身を認められない藍は、遠ざかることしかできず―。切なく心揺れるラブストーリー。
あああ・・・!すごく、すごく大好きで、ずっと、ずっと新作を待ってた朝丘戻。さんの新刊です。ダリア文庫の刊行予定で朝丘さんの名前を拝見した時は「ええっ?!」って素で叫んでしまいました(自宅で良かった)。朝丘さんらしい、切ないお話でした。なんか、不思議な読後感で、何度も読み返してしまいました。大満足。また新作を出してくださると嬉しいな。
●「銀とシュガースノー」 玄上八絹/高城たくみ(2009年9月 ルチル文庫)
両親の離婚によって、血のつながらない叔父の家に居候することになった秋彦は、大学進学かパティシエになるため専門学校に進むかで頭を悩ませている高校生。だが居候先にいたのは、予想以上に若い叔父・守柯だった。ピアノの調律師である守柯は、5つしか歳の違わない秋彦を子ども扱いして冷たくあしらう。そんな守柯に孤独の影を見た秋彦は…。
玄上八絹さん、実はものすごく大好きな作家さんです。「しもべと犬」からハマって、入手可能な同人誌は全部買い込むくらい、大好き。Webや同人誌で発表されてる番外編をちゃんとした形で発表していただけたら嬉しいのに、と思います。文庫のあとがきの「逆ギレジュリエットVS迎撃シンデレラ」というフレーズが面白くて吹いた。
●「黒い傷痕」 丸木文華(2009年11月 プラチナ文庫艶)
妹の婚約者として紹介された人気小説家の秀一は、和義にとって、思い出したくもない因縁の男だった。十五年前、残酷な子供だった和義が犯した罪を暴くように、秀一は彼をがんじがらめにし、徹底的に陵辱した。悪魔のような男に抱かれて、和義は激しい官能に狂っていく。妹を欺く背徳、恋人の勇一郎には言えない罪の秘閨。秀一の体にある消えない傷痕が、罪の烙印として目に映る。これはただの復讐なのか。それとも――。
去年(2008年)に「兄弟」(すごい直球!)という作品でハマった作家さん。丸木さんの書かれるヤンデレはホントに私のツボです。小説だけでなく、表紙や挿絵をご本人が描かれていたり、
BL以外の小説も書かれていたりしますし、BLゲーム「コイビト遊戯」や男性向けのゲームのシナリオを手がけてらっしゃる(「コイビト遊戯」はキャラデザまでされてました)多才な方。今回「あなたに赤い花を」(アズノベルズ)とどちらを選ぼうか迷いに迷った結果、ピンナップのエロさでこちらの作品を選びました(こんなんばっかしや、私)
●「獣となりても」 剛しいら/北沢きょう(2009年6月 リンクスロマンス)
天使のような美貌とは裏腹に、恐ろしいまでに権力への野望を抱くイリア。皇太子を籠絡したイリアは、死者を蘇らせて創った禁断の兵器・人獣の強大な力を利用して軍部を掌握し、隣国への侵攻を推し進めた。戦いの最中、敵国の皇子である羽秀を手に入れ、人獣として蘇らせるが、獣に堕ちたはずの彼はなぜか自我を失わない。なおも崇高な魂を感じさせる羽秀を服従させるため、イリアはその強靭な肉体を鞭打ち、歪んだ欲望のまま己の快楽に奉仕させるが…。
剛しいらさん・・・スゴイですよね、この方。なんでこう、次々と物語を紡いでゆけるんでしょうか?汲めども尽きぬホモの泉・・・みたいな?この作品を選ぶにあたり、しみじみ「ああ、私ってホントにわんこ萌えなんだ・・・」と実感しました。わんこです。しかも表紙では首に首輪とかされてます、わんこ(攻)。実は「描くのは愛」(ショコラノベルズハイパー)とどちらを選ぼうか迷いましたが、この首輪わんこの勝ちでした(えー?!)
●「恋の誘惑、愛の蜜」 いとう由貴/織田涼歌(2009年1月 クロスノベルズ)
編集者の知也とパティシエの貴之。親友関係を壊したくない知也は思いを隠していたが、ふとしたことで貴之に抱かれてしまい!?
いとう由貴さんのヤンデレ、大好き。(この作品、受・攻ともにヤンデレですよね?)多分、今年1番読み返した作品。いとうさん、「この恋が終わるまで」(BBN)以来のビッグウェーブでした。織田涼歌さんの表紙も印象的だった作品です。
●「タナトスの双子」 和泉桂/高階佑(2009年12月 SHYノベルズ)
「軽蔑してるのに、私に従うのか」
時は帝政ロシア末期。オルロフ公爵家の嗣子ユーリは
天使のように優美な容姿を持ちながら、近衛師団では切れ者の大尉として知られている。
そして、彼のそばには副官のヴィクトールが常に付き従っている。
目的のためなら躰を利用することも厭わないと噂のユーリを
侮蔑を籠めた目で冷たく見ながらも、屈従を崩さず――――――
折りしも、ユーリは幼馴染みマクシムからある青年を紹介される。
それは死に別れたはずの双子の兄、ミハイルだった!?
愛と憎しみ、憧憬と裏切り。複雑な想いが絡まり合い・・・・
やられたー・・・!と蹲りたくなるような作品でした。あああ・・・!「運命に翻弄される美しき双子」という設定だけでドキドキしてしまいますが、読み出したら止まれなくて、もったいないと思いながらも一気に読み進めてしまいました。「1912」のラストを読んだ後に口絵のイラストを見て号泣。高階さんのイラストもホントにステキでした。
●「はつ恋」 榎田尤利/小山田あみ(2009年10月 BBN)
事故が原因で2度目の高校生活を送る久我山。大人びて冷めた瞳の久我山に、担任の曽根は親身になってくれる。うっとうしい教師だったはずの曽根を知るにつれ、その甘い声をもっと聞きたくなってしまう久我山。胸が痛むほどのこの想いに名前があるとすれば―恋。しかし曽根には恋人がいるうえ、自分はただの生徒にすぎないと知り…。それでも彼を守りたい。未来を変えるために、今、恋をする。
まさか、こんなお話だとは想像してなくて、びっくりしてしまった作品。背表紙のあらすじを考えた人がスゴイ!と思いました。最大のネタバレを阻止して、しかもイイ感じに核心に迫っているというか・・・いやはや。面白かったです。多分、ある程度の年齢の人が読むのと、現役の高校生が読むのとでは、全然印象が違うんだろうなぁ。私もあの頃の自分を思い出して赤くなるやら青くなるやら(笑)面白かったので、調子に乗ってこんなモノを作ってしまいました。派手にネタバレしているのと、こういうMAD系動画が嫌い、もしくは許せないという方はスルーしてくださいまし。
●「花芽と狼」 須和雪里/紺野キタ(2009年10月 HOLLY NOVELS)
時は平安のある冬の日。瑞調寺の阿闍梨・冬弦は修行僧時代に知り合った男、慈徳が連れてきた幼い子供を稚児として引き取った。子供は潤んだ大きな瞳を持ち、愛らしい顔立ちをしていたので、すぐに僧たちの人気者になった。しかし、子供がやってきてから、僧坊に妖しが出るようになる。冬弦は、子供が人に見えない銀灰色の妖狼を連れていることに気づくが…。愛と赦しを問いかけるピュア・ストーリー。
須和さんの6年ぶりの新作。「このBLが〜」では「サミア」(シトラスノベルズ)の方がランキングされたそうですね。実は私も懐かしいのと門地さんの表紙に釣られて購入してしまいました。数年ぶりに読んだ「サミア」はやっぱり名作だったけど、やっぱり初見の時のあの衝撃はなかったかな。この「花芽と狼」は多分、私が今年1番号泣させられた作品。BLという括りも微妙な気がします。確かに「愛」なんだけど「ボーイズラブ」かと言われると違うような・・・。でも、やっぱり須和さんは須和さんだった。それが嬉しかった作品でした。大好き。
●「ひそやかに、降るように。」 麻生雪奈/高星麻子(2009年11月 ルチル文庫)
高校二年の和久井春人は、七歳のとき、両親を失い伯母の家に引き取られた。七つ年上の航平、ひとつ下の大河、中学生の双子虎太郎・雛子とともに五人兄弟の次男として暮らし始めて十年、航平と出会ったときに生まれた気持ちはやがて恋へと育つ。そんなある日、告白した春人に、航平は「カン違いだ」と諭すが、春人の想いは溢れ…。
麻生雪奈さんも、久しぶりの新作でした・・・!この方の描く「センシティブストーリー」はホントに素晴らしい!と言うか、すごく、すごく丁寧に描かれた作品だなぁ、と思いました。麻生さんらしい、美しい情景が目に浮かぶような、そんな印象の作品でした。あああ、こういう麻生さんを待ってた・・・!嬉しい!あと、余談ですが、攻の弟の大河がとても気になります。続編とか出ないかなー、と密かに願っていたりして。
●「未完成」 凪良ゆう/楠本弘樹(2009年4月 白泉社文庫BLACK)
夏休み最後の金曜、高2の瀬名櫂人は、クラブで英語教師の阿南珪が男とキスするのを目撃してしまう。面白半分にゲイとバラすと脅したが、阿南は余裕でかわす。「いい子だから、大人の愉しみを邪魔すんじゃねえよ」意地が悪いけれど色香が溢れる微笑に、瀬名は魂を射抜かれてしまう。以来、瀬名は阿南に付きまとい、どうにかセフレに持ち込むが、教師と生徒、男同士、10歳の年齢差を考えると実る恋ではない。そんな時、瀬名は両親の離婚で転校することに…!?未完成のまま恋に溺れる子どもと、子ども以上に未完成な大人が綴るラブストーリー。
凪良ゆうさん、昨年「恋愛犯-LOVE HOLIC-」でハマった作家さんでした。高校教師と生徒との恋という「王道」ですが、やはりツボは「教師だって、オトナになりきれない時があるんだよ」ってトコと年下わんこ攻・・・かな。額に油性マジックで書かれた「48」に爆笑した後、ちょっと切なくなりました。
●「夜空に煌めく星の下」 松田美優/奈良千春(2009年3月 SHY NOVELS)
彼女をつくるよりも男友達とつるんでいるほうが楽しい、そんな高校生だった智鶴だが、ふとしたことから2学年下の金子紗綾とつきあうことになる。だが、彼女の兄である秋成に出逢った瞬間、智鶴の心は男の目に捕まり、逃げられなくなった。濃密な、その一瞬。それが、すべての始まりだった。親しくなったつもりでいると拒絶される。離れなくてはと思うと、強い視線で搦め捕られる。緊張に、欲望に、絡まり合う感情は―。
松田美優さんと奈良千春さんのタッグは最強だと思います。むしろ反則?(笑)彼女のお兄ちゃんに恋してしまうイマドキの高校生男子のお話。分かる分かる!昔、お友達の家とかに遊びに行った時に見かけるお兄ちゃんって、妙に大人びてかっこ良く見えたような気がする・・・!マニュアル車のシフトレバーのエピソードは誰もが一度は経験する甘酸っぱい思い出ですよね。なんか勢いのあるお話だったと思います。
●「夜に君を想う」 可南さらさ/高宮東(2009年3月 リンクスロマンス)
弟のように可愛がっていた年下の幼なじみ・神嶋洋に告白された大学生の高沢千実。一途な恋情を向けられ、千実は自分も同じ気持ちだったことに気づく。だが、洋には決して知られたくない秘密を抱える千実は、彼を手酷く拒絶することしかできなかった。二年後、気まずい関係を修復できずにいた千実は、偶然、洋に恋人がいることを知る。傷つく千実は、叶うことのない恋に終止符を打つため、洋とある約束を交わし、関係をもつが―。
今年、いとう由貴さんの「恋の誘惑、愛の蜜」と並んで、最も読み返し率が高かった作品。こういう切ない擦れ違い系のお話、可南さんの得意分野だなぁ、と思わせられる作品でした。自分が恋をしている相手から「好きだ、好きだ、欲しい」とさんざん強請られても、決して応えてはいけない・・・という辛さは、自分のような自制心がない人間には想像するしか、というか、想像できてないのかもしれませんね、それでも胸が痛くて堪らなかったです。年末に出た「恋を知る日」(シャレード文庫)もとても切なくて、でも好きなお話だったので、ぎりぎりまで迷ったのですが、やはり読み返した回数でこちらを選んでしまいました。
●「恋愛・教師〜Color of Snow〜」 西江彩夏/麻生海(2009年10月 BBN)
「好きになれなんて言わない。だからあと少しだけ、今だけ、側にいたい」雪が降る夜、佐々井は恋人に振られて混乱する年下の同僚・井瀬崎に抱きしめられていた。井瀬崎は、普段は温和で優しいが、同性の恋人の存在を知る佐々井を避け続ける片想いの相手。嫌っているくせに、佐々井は必死に縋る腕の強さに拒むことができない。彼に触れてもらえる嬉しさと罪悪感を素直になれない態度に隠したまま、佐々井は体を重ねてしまうが―。
西江彩夏さん、前作の「ナルシストの憂鬱」がとても面白かったので(でもちょっとほろりとした)、楽しみにしていた新作でした。前回の「ナルシスト〜」の攻ほどではないのですが、今作の攻もちょっと風変わりな感じで、でも近くにいたらきっと振り回されるかも、とか思いながら、私にしては珍しく受の立場に感情移入してしまった作品。まだ二作しか作品を拝見していない作家さんなので、今後どのような作品を書かれるのか非常に楽しみです。
【シリーズ物部門】
●「茨姫は犬の夢を見るか」 玄上八絹/竹美屋らら(2009年2月 ルチル文庫)
警視庁の非公式部署に所属する刑事・奥村智重には「犬」と呼ばれるパートナーがいる。「主人」である智重を守るため、危険に飛び込む「犬」・石凪信乃。ようやく想いが通じ合った二人だが、ある日、智重の先輩で元特殊部隊のエース・玖上禪が着任、禪の「犬」である五係所属の謎の多い分析官・篠宮犬姫とともに智重・信乃は任務に就くことに…。
前述の「銀とシュガースノー」で玄上さんへの萌えをかなり熱く語ってしまったのですが、それとは別腹の「五係シリーズ」(と言っていいのでしょうか?)、「千流のねがい」「しもべと犬」、そしてこの「茨姫〜」、竹美屋ららさんのイラストが大好きです。なんか、こう「もふもふ感」がたまらないのです。何が「もふもふ」なのかと問われても上手く答えられないのですが・・・。このシリーズのヤンデレわんこ達は受ばかりなんですが、なにやら攻わんこがいるらしいので、そのお話をすごく楽しみにしています。うきうき。
●「唇にキス 舌の上に愛」 高遠琉加/麻生海(2009年5月 シャレード文庫)
瀟洒な一軒家のフレンチレストラン「ル・ジャルダン・デ・レーヴ」。支配人として出向してきた理人には、この店を足掛かりにフレンチの老舗「ゴルド」を買収するという目的があった。上司の叶はよき理解者だが、父に遺棄された理人は当時の思い出に絡む叶の想いを受け止めることができない。その理人の心をさらにかき乱すのは、シェフという立場を超え内面に迫ってくる久我の存在だった。怖いのに優しくて、出会ったときから自分を壊してしまうとわかっていた男―。嵐のような奪われた一夜が明け、理人の前にいたのはしかし…。
「このBLがやばい」の小説部門で堂々第一位だそうですね、去年は木原音瀬さんの「美しいひと」があまりにぶっちぎりだった印象なので、こういった作品が今年の一位というのがちょっと意外ではありました。もちろん私も大好きなシリーズでこの「唇に〜」には泣かされましたが、号泣というよりは、やるせなさが溢れるという感じ?うーん、うまく言えないけど、主人公の寂しさが伝染したのかもしれません。そういう意味では高遠さんらしい作品なのかな。お話自体は地味な印象だったのでラストに向う怒涛の展開にはびっくり。ほのぼのとした結末にほっとできる作品でした。
●「小説家は誓約する」 菱沢九月/高久尚子(2009年9月 キャラ文庫)
ベストセラー作家・佐々原と暮らし始めて一年―。相変わらず不機嫌な執筆中の顔も、濃やかなセックスも律は惚れ直すばかり。ところがある日、佐々原の新作が批評家に「凡庸で駄作」と酷評されてしまう!!担当編集者にも「作風が変わった」と告げられ、律は内心茫然自失。もしや自分の存在が悪影響を与えている!?密かに責任を感じて、思い悩む律だけど!?大人気シリーズ、ついに完結。
なんか、私、勘違いしてたみたいで。前作の「小説家は束縛する」でこのシリーズが終わってたような気になってました。前作を読んだ時点で、もう、なんかすごく満たされちゃって、これでハッピーエンドよね、とか思ってました。でも、この「誓約する」を読んで、もっと幸せになりましたー。もともとこのシリーズって主人公二人がえらいトラウマを抱えた者同志で、なんか、心配でしょうがなかったんですけど、二作目、三作目と、どんどんラブに溢れていって、ああ・・・ハッピーエンドはこういう幸せな日常がいいなぁ、ってつくづく思いました。幸せな物語をありがとう・・・!という気持ちで一杯です。
●「タイトロープ ダンサー」 久能千明/沖麻実也(2009年4月 リンクスロマンス)
サマル中継基地に潜入していた三四郎は、「心の死」を乗り越えたカイと再会し、司令官奪還作戦を決行する。しかし、幾多の障害を乗り越えてグイドを救いだし、司令官の救出に向かった二人の前にさらなる困難が!!絶体絶命の状況の中、残酷な決断を迫られたカイと三四郎が取った行動とは!?そして全てが終わった後、彼らを待ち受けていたものは―。『青の軌跡』シリーズ、堂々の完結。
「青の軌跡シリーズ」、とうとう終わってしまいました。リンクスロマンスから新装版で装いも新たに始まった「タイトロープダンサー」気がつけばstage5・・・!シリーズ最長のお話になりました。さすが完結篇。もうね、長すぎて、愛着がありすぎて、なんか冷静に感想とか書けないだろうなぁ、というくらい大好きなシリーズでした。
私も腐女子のはしくれとしてBLドラマCDなるものを多少嗜んでおりますが、この「青の軌跡シリーズ」のドラマCDが多分1番リピ率高いです。主人公の三四郎役の森川智之さん、カイ役の中原茂さんをはじめ、梁田清之さん、小林優子さん、堀内賢雄さんが完璧と言っていいほどにこの小説の世界観をそのままドラマとして演じてらっしゃいます。残念ながら「ファントム・ペイン」までしかドラマCDは出てないので、できれば最後までキャストそのままで続きが出てくれないかなぁ、と願っております。
●「放水開始!〜許可証をください!6〜」 烏城あきら/文月あつよ(2009年12月 シャレード文庫)
取引先である大東亜有機の要請でISOの取得に乗り出した喜美津化学。実質的な先導役を務める弘はその膨大な作業に追われているが、悩みの種は遅々として進まない製造部の文書作成。ところが当の本人たちは弘の目を盗み、時を同じくして行われる消火競技会の練習に熱中。しかもプライベートでは前原が母・佐知子に弘との関係を明かしたことで、弘と佐知子は口もきけない気まずい状況が続いていて…。次々持ち上がる難題に煮詰まった弘に前原が施した解決方法とは。
久しぶりに出ましたね「許可証シリーズ」、この新刊を読む前に前の巻のおさらい・・・とか思ってたら、一気に一冊目から読み返してしまいましたよ、やっぱり面白いなぁ・・・!ISOの内部監査で大変なはずなのに、消火訓練の練習のブームとか・・・!面白すぎる。いい歳をしたおっさん達が真剣に汗水たらしてホース片手に練習する姿を想像するだけでワクワクします。「男の職場!」って感じで萌えました。次作でいよいよ最終回だとか。寂しいけど、どういった結末になるのか楽しみです。ドキドキ。
●「寄せては返す 波のように」 六青みつみ/藤たまき(2009年6月 ガッシュ文庫)
“エリィは、おれの好きな人。でもエリィが好きなのは別の人。おれは身代わり”記憶障害を持つルースは、忘れないようにそれを手帳に記した。研究所所長のエリィにとって、一時間程度しか記憶が保てないルースは、都合の良い存在なのだ。だからエリィは、去った養い子に似た容姿のルースを気まぐれに所長室に呼びつけ、身代わりに抱く。一方的で身勝手だけど、あなたが好き―。切なくも愛おしい恋物語。
前作の「青い海に秘めた恋」でダメなオトナ丸出しで非常に不憫だったエリィのお話と聞いて、一体どんな相手とどんな恋をするのだろうとワクワクしていたら・・・!ちょ、ちょっ!(唖然)なんとまぁ、ホントにダメなオトナでした、エリィ・・・。一体どうなるんだ?!とハラハラしながら、またルースが可愛らしくて、可哀相で、もうっ!泣いていいのか、怒っていいのか分からないまま読み進めました。でも、やっぱ、六青さんのお話って好きだ。リンクスロマンスの「ruin」のシリーズも好きだけど、この一冊のインパクトには敵わなかったなぁ、やられました、ぎゃふん、大好き。
以上、今年読んだBL小説で印象深かった作品でした。その他にも木原音瀬さんの「coldシリーズ」の新装版とか榎田尤利さんの「魚住くんシリーズ」の新装版とか色々びっくりな一年でした。長々と書きなぐりましたが、すごく楽しかったです。
ずっとBL小説の感想から離れてて、もうブログ閉鎖した方がいいのかなぁとも思っていたのですが、やっぱりBL小説好きなので、たまにはこんな風に感想とか書けたらいいなぁ、と思います。
ちなみに昨年度「このBLが〜」一位の「美しいこと」ではこんな動画を(以下略)
動画(というほどのものではないのですが)作りにハマって今年はこんなことばっかりしてたんです、色々と反省しつつ、最後に今年読んだBLコミックスで印象に残った作品・・・というか、この作品はBLではないと思うんですが、でも、「このBLが〜」で堂々一位だったこの作品。私も、すごく大好きで、こんなものを(以下略)
●「愛を乞う」 夜光花/榎本(2009年11月 キャラ文庫)
愛を乞う (キャラ文庫)「これから6年間、息子の性欲処理の相手をしなさい」。両親の借金の形に、13歳で大富豪・綿貫家に売られた氷野春也。同い年の一輝は、人に命令し慣れた態度で春也を物扱い。口と手で一方的に行為を強要してくる。ところが、全寮制の高校で同室になって以来、なぜか春也にキスや愛撫をするように…。一輝の態度が変わったのは一体なぜ?理由がわからないまま、契約終了を告げる卒業の日が迫り―。
最後の最後まで「忘れないでいてくれ」(2009年9月 リンクスロマンス)と迷った作品。決め手はあとがきで作者の夜光花さんが書かれていた「やはり中学生や高校生の時の攻めの頭の中はエロいことでいっぱいでいてほしい。隣に受けがいるならそれはもう、やることしか考えてないくらいが好きですね。」という一文。まったくもって同感です。
忘れないでいてくれ (リンクスロマンス)「忘れないでいてくれ」もホントに好きでした。一作家さんにつき一冊とあえて決めていたのが裏目に・・・。
●「いとし、いとしという心」 かわい有美子/南田チュン(2009年6月 BBN)
いとし、いとしという心〈2〉 (ビーボーイノベルズ)京都の格式ある名旅館「井筒屋」の若き当主が亡くなった。彼を密かに恋い慕っていた侑央は悲しみにくれる。一方、葬儀で帰省してきた当主の弟・千秋は、次男として当然経営を継ぐと思われていたが、旅館を売却すると言い周囲を驚かせる。かつて一途に兄を想う侑央の想いと秘めた欲望につけこみ、関係を持っていた千秋だが、今度こそその心ごと自分のものにするため、侑央にある提案を―。乱れる心と身体は誰のために…書き下ろしあり。
幼馴染モノ。2巻が発行されてて、「ん?シリーズ物?」と迷ったのですが、両方とも今年中に発行されているということでコチラに分類させていただきました。
自分の兄に片想いしている幼馴染をずっと好きだった弟・・・。王道ですね。でもその弟(攻)がえらいごと狡くて、酷いくせに、でも受のことが好きすぎて哀れ。そんなとこがツボでした。
●「君に降る白」 朝丘戻。/麻生ミツ晃(2009年8月 ダリア文庫)
高校を卒業してから二年。芹田藍は昼は古本屋、夜は身体を売るバイトをしていた。淡々としている藍を玩具のように扱う客が多い中、愛情を教えてくれたのは自分の身体を一切求めてこない客、成瀬恵一だった。平凡なサラリーマンで、温かく純粋な成瀬。だが彼に心惹かれるも、過去の出来事から自分自身を認められない藍は、遠ざかることしかできず―。切なく心揺れるラブストーリー。
あああ・・・!すごく、すごく大好きで、ずっと、ずっと新作を待ってた朝丘戻。さんの新刊です。ダリア文庫の刊行予定で朝丘さんの名前を拝見した時は「ええっ?!」って素で叫んでしまいました(自宅で良かった)。朝丘さんらしい、切ないお話でした。なんか、不思議な読後感で、何度も読み返してしまいました。大満足。また新作を出してくださると嬉しいな。
●「銀とシュガースノー」 玄上八絹/高城たくみ(2009年9月 ルチル文庫)
両親の離婚によって、血のつながらない叔父の家に居候することになった秋彦は、大学進学かパティシエになるため専門学校に進むかで頭を悩ませている高校生。だが居候先にいたのは、予想以上に若い叔父・守柯だった。ピアノの調律師である守柯は、5つしか歳の違わない秋彦を子ども扱いして冷たくあしらう。そんな守柯に孤独の影を見た秋彦は…。
玄上八絹さん、実はものすごく大好きな作家さんです。「しもべと犬」からハマって、入手可能な同人誌は全部買い込むくらい、大好き。Webや同人誌で発表されてる番外編をちゃんとした形で発表していただけたら嬉しいのに、と思います。文庫のあとがきの「逆ギレジュリエットVS迎撃シンデレラ」というフレーズが面白くて吹いた。
●「黒い傷痕」 丸木文華(2009年11月 プラチナ文庫艶)
妹の婚約者として紹介された人気小説家の秀一は、和義にとって、思い出したくもない因縁の男だった。十五年前、残酷な子供だった和義が犯した罪を暴くように、秀一は彼をがんじがらめにし、徹底的に陵辱した。悪魔のような男に抱かれて、和義は激しい官能に狂っていく。妹を欺く背徳、恋人の勇一郎には言えない罪の秘閨。秀一の体にある消えない傷痕が、罪の烙印として目に映る。これはただの復讐なのか。それとも――。
去年(2008年)に「兄弟」(すごい直球!)という作品でハマった作家さん。丸木さんの書かれるヤンデレはホントに私のツボです。小説だけでなく、表紙や挿絵をご本人が描かれていたり、
BL以外の小説も書かれていたりしますし、BLゲーム「コイビト遊戯」や男性向けのゲームのシナリオを手がけてらっしゃる(「コイビト遊戯」はキャラデザまでされてました)多才な方。今回「あなたに赤い花を」(アズノベルズ)とどちらを選ぼうか迷いに迷った結果、ピンナップのエロさでこちらの作品を選びました(こんなんばっかしや、私)
●「獣となりても」 剛しいら/北沢きょう(2009年6月 リンクスロマンス)
天使のような美貌とは裏腹に、恐ろしいまでに権力への野望を抱くイリア。皇太子を籠絡したイリアは、死者を蘇らせて創った禁断の兵器・人獣の強大な力を利用して軍部を掌握し、隣国への侵攻を推し進めた。戦いの最中、敵国の皇子である羽秀を手に入れ、人獣として蘇らせるが、獣に堕ちたはずの彼はなぜか自我を失わない。なおも崇高な魂を感じさせる羽秀を服従させるため、イリアはその強靭な肉体を鞭打ち、歪んだ欲望のまま己の快楽に奉仕させるが…。
剛しいらさん・・・スゴイですよね、この方。なんでこう、次々と物語を紡いでゆけるんでしょうか?汲めども尽きぬホモの泉・・・みたいな?この作品を選ぶにあたり、しみじみ「ああ、私ってホントにわんこ萌えなんだ・・・」と実感しました。わんこです。しかも表紙では首に首輪とかされてます、わんこ(攻)。実は「描くのは愛」(ショコラノベルズハイパー)とどちらを選ぼうか迷いましたが、この首輪わんこの勝ちでした(えー?!)
●「恋の誘惑、愛の蜜」 いとう由貴/織田涼歌(2009年1月 クロスノベルズ)
編集者の知也とパティシエの貴之。親友関係を壊したくない知也は思いを隠していたが、ふとしたことで貴之に抱かれてしまい!?
いとう由貴さんのヤンデレ、大好き。(この作品、受・攻ともにヤンデレですよね?)多分、今年1番読み返した作品。いとうさん、「この恋が終わるまで」(BBN)以来のビッグウェーブでした。織田涼歌さんの表紙も印象的だった作品です。
●「タナトスの双子」 和泉桂/高階佑(2009年12月 SHYノベルズ)
「軽蔑してるのに、私に従うのか」
時は帝政ロシア末期。オルロフ公爵家の嗣子ユーリは
天使のように優美な容姿を持ちながら、近衛師団では切れ者の大尉として知られている。
そして、彼のそばには副官のヴィクトールが常に付き従っている。
目的のためなら躰を利用することも厭わないと噂のユーリを
侮蔑を籠めた目で冷たく見ながらも、屈従を崩さず――――――
折りしも、ユーリは幼馴染みマクシムからある青年を紹介される。
それは死に別れたはずの双子の兄、ミハイルだった!?
愛と憎しみ、憧憬と裏切り。複雑な想いが絡まり合い・・・・
やられたー・・・!と蹲りたくなるような作品でした。あああ・・・!「運命に翻弄される美しき双子」という設定だけでドキドキしてしまいますが、読み出したら止まれなくて、もったいないと思いながらも一気に読み進めてしまいました。「1912」のラストを読んだ後に口絵のイラストを見て号泣。高階さんのイラストもホントにステキでした。
●「はつ恋」 榎田尤利/小山田あみ(2009年10月 BBN)
事故が原因で2度目の高校生活を送る久我山。大人びて冷めた瞳の久我山に、担任の曽根は親身になってくれる。うっとうしい教師だったはずの曽根を知るにつれ、その甘い声をもっと聞きたくなってしまう久我山。胸が痛むほどのこの想いに名前があるとすれば―恋。しかし曽根には恋人がいるうえ、自分はただの生徒にすぎないと知り…。それでも彼を守りたい。未来を変えるために、今、恋をする。
まさか、こんなお話だとは想像してなくて、びっくりしてしまった作品。背表紙のあらすじを考えた人がスゴイ!と思いました。最大のネタバレを阻止して、しかもイイ感じに核心に迫っているというか・・・いやはや。面白かったです。多分、ある程度の年齢の人が読むのと、現役の高校生が読むのとでは、全然印象が違うんだろうなぁ。私もあの頃の自分を思い出して赤くなるやら青くなるやら(笑)面白かったので、調子に乗ってこんなモノを作ってしまいました。派手にネタバレしているのと、こういうMAD系動画が嫌い、もしくは許せないという方はスルーしてくださいまし。
●「花芽と狼」 須和雪里/紺野キタ(2009年10月 HOLLY NOVELS)
時は平安のある冬の日。瑞調寺の阿闍梨・冬弦は修行僧時代に知り合った男、慈徳が連れてきた幼い子供を稚児として引き取った。子供は潤んだ大きな瞳を持ち、愛らしい顔立ちをしていたので、すぐに僧たちの人気者になった。しかし、子供がやってきてから、僧坊に妖しが出るようになる。冬弦は、子供が人に見えない銀灰色の妖狼を連れていることに気づくが…。愛と赦しを問いかけるピュア・ストーリー。
須和さんの6年ぶりの新作。「このBLが〜」では「サミア」(シトラスノベルズ)の方がランキングされたそうですね。実は私も懐かしいのと門地さんの表紙に釣られて購入してしまいました。数年ぶりに読んだ「サミア」はやっぱり名作だったけど、やっぱり初見の時のあの衝撃はなかったかな。この「花芽と狼」は多分、私が今年1番号泣させられた作品。BLという括りも微妙な気がします。確かに「愛」なんだけど「ボーイズラブ」かと言われると違うような・・・。でも、やっぱり須和さんは須和さんだった。それが嬉しかった作品でした。大好き。
●「ひそやかに、降るように。」 麻生雪奈/高星麻子(2009年11月 ルチル文庫)
高校二年の和久井春人は、七歳のとき、両親を失い伯母の家に引き取られた。七つ年上の航平、ひとつ下の大河、中学生の双子虎太郎・雛子とともに五人兄弟の次男として暮らし始めて十年、航平と出会ったときに生まれた気持ちはやがて恋へと育つ。そんなある日、告白した春人に、航平は「カン違いだ」と諭すが、春人の想いは溢れ…。
麻生雪奈さんも、久しぶりの新作でした・・・!この方の描く「センシティブストーリー」はホントに素晴らしい!と言うか、すごく、すごく丁寧に描かれた作品だなぁ、と思いました。麻生さんらしい、美しい情景が目に浮かぶような、そんな印象の作品でした。あああ、こういう麻生さんを待ってた・・・!嬉しい!あと、余談ですが、攻の弟の大河がとても気になります。続編とか出ないかなー、と密かに願っていたりして。
●「未完成」 凪良ゆう/楠本弘樹(2009年4月 白泉社文庫BLACK)
夏休み最後の金曜、高2の瀬名櫂人は、クラブで英語教師の阿南珪が男とキスするのを目撃してしまう。面白半分にゲイとバラすと脅したが、阿南は余裕でかわす。「いい子だから、大人の愉しみを邪魔すんじゃねえよ」意地が悪いけれど色香が溢れる微笑に、瀬名は魂を射抜かれてしまう。以来、瀬名は阿南に付きまとい、どうにかセフレに持ち込むが、教師と生徒、男同士、10歳の年齢差を考えると実る恋ではない。そんな時、瀬名は両親の離婚で転校することに…!?未完成のまま恋に溺れる子どもと、子ども以上に未完成な大人が綴るラブストーリー。
凪良ゆうさん、昨年「恋愛犯-LOVE HOLIC-」でハマった作家さんでした。高校教師と生徒との恋という「王道」ですが、やはりツボは「教師だって、オトナになりきれない時があるんだよ」ってトコと年下わんこ攻・・・かな。額に油性マジックで書かれた「48」に爆笑した後、ちょっと切なくなりました。
●「夜空に煌めく星の下」 松田美優/奈良千春(2009年3月 SHY NOVELS)
彼女をつくるよりも男友達とつるんでいるほうが楽しい、そんな高校生だった智鶴だが、ふとしたことから2学年下の金子紗綾とつきあうことになる。だが、彼女の兄である秋成に出逢った瞬間、智鶴の心は男の目に捕まり、逃げられなくなった。濃密な、その一瞬。それが、すべての始まりだった。親しくなったつもりでいると拒絶される。離れなくてはと思うと、強い視線で搦め捕られる。緊張に、欲望に、絡まり合う感情は―。
松田美優さんと奈良千春さんのタッグは最強だと思います。むしろ反則?(笑)彼女のお兄ちゃんに恋してしまうイマドキの高校生男子のお話。分かる分かる!昔、お友達の家とかに遊びに行った時に見かけるお兄ちゃんって、妙に大人びてかっこ良く見えたような気がする・・・!マニュアル車のシフトレバーのエピソードは誰もが一度は経験する甘酸っぱい思い出ですよね。なんか勢いのあるお話だったと思います。
●「夜に君を想う」 可南さらさ/高宮東(2009年3月 リンクスロマンス)
弟のように可愛がっていた年下の幼なじみ・神嶋洋に告白された大学生の高沢千実。一途な恋情を向けられ、千実は自分も同じ気持ちだったことに気づく。だが、洋には決して知られたくない秘密を抱える千実は、彼を手酷く拒絶することしかできなかった。二年後、気まずい関係を修復できずにいた千実は、偶然、洋に恋人がいることを知る。傷つく千実は、叶うことのない恋に終止符を打つため、洋とある約束を交わし、関係をもつが―。
今年、いとう由貴さんの「恋の誘惑、愛の蜜」と並んで、最も読み返し率が高かった作品。こういう切ない擦れ違い系のお話、可南さんの得意分野だなぁ、と思わせられる作品でした。自分が恋をしている相手から「好きだ、好きだ、欲しい」とさんざん強請られても、決して応えてはいけない・・・という辛さは、自分のような自制心がない人間には想像するしか、というか、想像できてないのかもしれませんね、それでも胸が痛くて堪らなかったです。年末に出た「恋を知る日」(シャレード文庫)もとても切なくて、でも好きなお話だったので、ぎりぎりまで迷ったのですが、やはり読み返した回数でこちらを選んでしまいました。
●「恋愛・教師〜Color of Snow〜」 西江彩夏/麻生海(2009年10月 BBN)
「好きになれなんて言わない。だからあと少しだけ、今だけ、側にいたい」雪が降る夜、佐々井は恋人に振られて混乱する年下の同僚・井瀬崎に抱きしめられていた。井瀬崎は、普段は温和で優しいが、同性の恋人の存在を知る佐々井を避け続ける片想いの相手。嫌っているくせに、佐々井は必死に縋る腕の強さに拒むことができない。彼に触れてもらえる嬉しさと罪悪感を素直になれない態度に隠したまま、佐々井は体を重ねてしまうが―。
西江彩夏さん、前作の「ナルシストの憂鬱」がとても面白かったので(でもちょっとほろりとした)、楽しみにしていた新作でした。前回の「ナルシスト〜」の攻ほどではないのですが、今作の攻もちょっと風変わりな感じで、でも近くにいたらきっと振り回されるかも、とか思いながら、私にしては珍しく受の立場に感情移入してしまった作品。まだ二作しか作品を拝見していない作家さんなので、今後どのような作品を書かれるのか非常に楽しみです。
【シリーズ物部門】
●「茨姫は犬の夢を見るか」 玄上八絹/竹美屋らら(2009年2月 ルチル文庫)
警視庁の非公式部署に所属する刑事・奥村智重には「犬」と呼ばれるパートナーがいる。「主人」である智重を守るため、危険に飛び込む「犬」・石凪信乃。ようやく想いが通じ合った二人だが、ある日、智重の先輩で元特殊部隊のエース・玖上禪が着任、禪の「犬」である五係所属の謎の多い分析官・篠宮犬姫とともに智重・信乃は任務に就くことに…。
前述の「銀とシュガースノー」で玄上さんへの萌えをかなり熱く語ってしまったのですが、それとは別腹の「五係シリーズ」(と言っていいのでしょうか?)、「千流のねがい」「しもべと犬」、そしてこの「茨姫〜」、竹美屋ららさんのイラストが大好きです。なんか、こう「もふもふ感」がたまらないのです。何が「もふもふ」なのかと問われても上手く答えられないのですが・・・。このシリーズのヤンデレわんこ達は受ばかりなんですが、なにやら攻わんこがいるらしいので、そのお話をすごく楽しみにしています。うきうき。
●「唇にキス 舌の上に愛」 高遠琉加/麻生海(2009年5月 シャレード文庫)
瀟洒な一軒家のフレンチレストラン「ル・ジャルダン・デ・レーヴ」。支配人として出向してきた理人には、この店を足掛かりにフレンチの老舗「ゴルド」を買収するという目的があった。上司の叶はよき理解者だが、父に遺棄された理人は当時の思い出に絡む叶の想いを受け止めることができない。その理人の心をさらにかき乱すのは、シェフという立場を超え内面に迫ってくる久我の存在だった。怖いのに優しくて、出会ったときから自分を壊してしまうとわかっていた男―。嵐のような奪われた一夜が明け、理人の前にいたのはしかし…。
「このBLがやばい」の小説部門で堂々第一位だそうですね、去年は木原音瀬さんの「美しいひと」があまりにぶっちぎりだった印象なので、こういった作品が今年の一位というのがちょっと意外ではありました。もちろん私も大好きなシリーズでこの「唇に〜」には泣かされましたが、号泣というよりは、やるせなさが溢れるという感じ?うーん、うまく言えないけど、主人公の寂しさが伝染したのかもしれません。そういう意味では高遠さんらしい作品なのかな。お話自体は地味な印象だったのでラストに向う怒涛の展開にはびっくり。ほのぼのとした結末にほっとできる作品でした。
●「小説家は誓約する」 菱沢九月/高久尚子(2009年9月 キャラ文庫)
ベストセラー作家・佐々原と暮らし始めて一年―。相変わらず不機嫌な執筆中の顔も、濃やかなセックスも律は惚れ直すばかり。ところがある日、佐々原の新作が批評家に「凡庸で駄作」と酷評されてしまう!!担当編集者にも「作風が変わった」と告げられ、律は内心茫然自失。もしや自分の存在が悪影響を与えている!?密かに責任を感じて、思い悩む律だけど!?大人気シリーズ、ついに完結。
なんか、私、勘違いしてたみたいで。前作の「小説家は束縛する」でこのシリーズが終わってたような気になってました。前作を読んだ時点で、もう、なんかすごく満たされちゃって、これでハッピーエンドよね、とか思ってました。でも、この「誓約する」を読んで、もっと幸せになりましたー。もともとこのシリーズって主人公二人がえらいトラウマを抱えた者同志で、なんか、心配でしょうがなかったんですけど、二作目、三作目と、どんどんラブに溢れていって、ああ・・・ハッピーエンドはこういう幸せな日常がいいなぁ、ってつくづく思いました。幸せな物語をありがとう・・・!という気持ちで一杯です。
●「タイトロープ ダンサー」 久能千明/沖麻実也(2009年4月 リンクスロマンス)
サマル中継基地に潜入していた三四郎は、「心の死」を乗り越えたカイと再会し、司令官奪還作戦を決行する。しかし、幾多の障害を乗り越えてグイドを救いだし、司令官の救出に向かった二人の前にさらなる困難が!!絶体絶命の状況の中、残酷な決断を迫られたカイと三四郎が取った行動とは!?そして全てが終わった後、彼らを待ち受けていたものは―。『青の軌跡』シリーズ、堂々の完結。
「青の軌跡シリーズ」、とうとう終わってしまいました。リンクスロマンスから新装版で装いも新たに始まった「タイトロープダンサー」気がつけばstage5・・・!シリーズ最長のお話になりました。さすが完結篇。もうね、長すぎて、愛着がありすぎて、なんか冷静に感想とか書けないだろうなぁ、というくらい大好きなシリーズでした。
私も腐女子のはしくれとしてBLドラマCDなるものを多少嗜んでおりますが、この「青の軌跡シリーズ」のドラマCDが多分1番リピ率高いです。主人公の三四郎役の森川智之さん、カイ役の中原茂さんをはじめ、梁田清之さん、小林優子さん、堀内賢雄さんが完璧と言っていいほどにこの小説の世界観をそのままドラマとして演じてらっしゃいます。残念ながら「ファントム・ペイン」までしかドラマCDは出てないので、できれば最後までキャストそのままで続きが出てくれないかなぁ、と願っております。
●「放水開始!〜許可証をください!6〜」 烏城あきら/文月あつよ(2009年12月 シャレード文庫)
取引先である大東亜有機の要請でISOの取得に乗り出した喜美津化学。実質的な先導役を務める弘はその膨大な作業に追われているが、悩みの種は遅々として進まない製造部の文書作成。ところが当の本人たちは弘の目を盗み、時を同じくして行われる消火競技会の練習に熱中。しかもプライベートでは前原が母・佐知子に弘との関係を明かしたことで、弘と佐知子は口もきけない気まずい状況が続いていて…。次々持ち上がる難題に煮詰まった弘に前原が施した解決方法とは。
久しぶりに出ましたね「許可証シリーズ」、この新刊を読む前に前の巻のおさらい・・・とか思ってたら、一気に一冊目から読み返してしまいましたよ、やっぱり面白いなぁ・・・!ISOの内部監査で大変なはずなのに、消火訓練の練習のブームとか・・・!面白すぎる。いい歳をしたおっさん達が真剣に汗水たらしてホース片手に練習する姿を想像するだけでワクワクします。「男の職場!」って感じで萌えました。次作でいよいよ最終回だとか。寂しいけど、どういった結末になるのか楽しみです。ドキドキ。
●「寄せては返す 波のように」 六青みつみ/藤たまき(2009年6月 ガッシュ文庫)
“エリィは、おれの好きな人。でもエリィが好きなのは別の人。おれは身代わり”記憶障害を持つルースは、忘れないようにそれを手帳に記した。研究所所長のエリィにとって、一時間程度しか記憶が保てないルースは、都合の良い存在なのだ。だからエリィは、去った養い子に似た容姿のルースを気まぐれに所長室に呼びつけ、身代わりに抱く。一方的で身勝手だけど、あなたが好き―。切なくも愛おしい恋物語。
前作の「青い海に秘めた恋」でダメなオトナ丸出しで非常に不憫だったエリィのお話と聞いて、一体どんな相手とどんな恋をするのだろうとワクワクしていたら・・・!ちょ、ちょっ!(唖然)なんとまぁ、ホントにダメなオトナでした、エリィ・・・。一体どうなるんだ?!とハラハラしながら、またルースが可愛らしくて、可哀相で、もうっ!泣いていいのか、怒っていいのか分からないまま読み進めました。でも、やっぱ、六青さんのお話って好きだ。リンクスロマンスの「ruin」のシリーズも好きだけど、この一冊のインパクトには敵わなかったなぁ、やられました、ぎゃふん、大好き。
以上、今年読んだBL小説で印象深かった作品でした。その他にも木原音瀬さんの「coldシリーズ」の新装版とか榎田尤利さんの「魚住くんシリーズ」の新装版とか色々びっくりな一年でした。長々と書きなぐりましたが、すごく楽しかったです。
ずっとBL小説の感想から離れてて、もうブログ閉鎖した方がいいのかなぁとも思っていたのですが、やっぱりBL小説好きなので、たまにはこんな風に感想とか書けたらいいなぁ、と思います。
ちなみに昨年度「このBLが〜」一位の「美しいこと」ではこんな動画を(以下略)
動画(というほどのものではないのですが)作りにハマって今年はこんなことばっかりしてたんです、色々と反省しつつ、最後に今年読んだBLコミックスで印象に残った作品・・・というか、この作品はBLではないと思うんですが、でも、「このBLが〜」で堂々一位だったこの作品。私も、すごく大好きで、こんなものを(以下略)


